住民投票より肌感覚
2020年10月8日、片岡春雄町長は、高レベル放射性廃棄物最終処分場の文献調査への応募に踏み切りました。
9月に町内各地区で行われた町民説明会では、反対の声が圧倒的多数を占めたにもかかわらず、それを無視する形での応募になりました。しかし、片岡町長は、自分の決断は町内の過半数の町民に支持を受けていると述べました。その根拠が「肌感覚」です。
10月2日の日本記者クラブ主催のオンライン記者会見で、片岡町長は「私の肌感覚では町内の過半数以上の賛成を得られていると感じる」と述べました。また、「2900人の賛否が肌感覚で分からないようなら、町長を辞めた方がいい。（賛成多数という）私の肌感覚は間違っていない」と強調しました。
肌感覚で、文献調査に賛成している人が多いのか、反対している人が多いのか、分かるわけがありません。町長の肌感覚で町政執行方針を決めていいなら、議会も各種の委員会も必要ありません。
こんな独断を許すわけにはいきません。町民の会では、肌感覚ではなく、すべての町民が無記名で意思表明できる住民投票を行うべきだとして、住民投票条例の直接請求を求めました。地方自治法で定められた50分の1以上の署名を提出し、議会に諮られましたが、まともな議論は行われず、否決となりました。
なお、肌感覚発言は道内メディアに大きく取り上げられましたが、遠く離れた広島県の中国新聞にすら「肌感覚の危うさ」というコラムが掲載されました。